サクラップとマイノリティ

サクラップって言葉を昨日初めて知ったのですか、皆さんご存知ですか?ご存知ですよね。

「嵐」のメンバー、櫻井翔さんが曲中で唄うラップ部分を総称してサクラップと言うらしいです。
カリスマラッパーのジブラさんがどう呼ばれているのか気になったので、ジブラップでも検索してみたところ72件該当。残念ながらサクラップには到底及ばない検索結果数でした。ジャニーズファンの多さを考えると、日本で一番有名なラッパーはクレバではなく櫻井翔さんなのかもしれない。
サクラップがどんなラップなのか気になったので動画を観てみましたが、3回以上連続で再生してしまったのは過去にSun Raの「Space Is The Place」のライブ動画を観たとき以来かもしれません。


櫻井翔 - Hip Pop Boogie(リリック付き)

Hip HopではなくHipでPopなStarを主張しているところに彼のこだわりを感じます。

大卒のアイドルがタイトルを奪い取る マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る
HIP HIP POP BEAT YO ステージ上終身雇用

人の上 下に人作らぬなら
俺がその天の頂いただく

Hip Pop Boogie 歌詞
http://kashinavi.com/song_view.html?28889


まさかオー・ザックのCM出てた人がこのようなリリックでラップしてるなんて、意外としか言えない。櫻井翔さんがラップをしていたことは、2ちゃんねるのヒップホップ板で定期的にスレがあがっていたので、たまに目を通したことはあったのですが、ネタにされてるなと感じたぐらいで私個人としては彼のことを否定もしませんし、肯定するつもりもありませんけど、と言いつつ実は肯定しそうな気分になってきたので、とりあえず彼のことを調べてみることにしました。


櫻井翔 ウィキペディア(Wikipedia)


サクラップとゼロ年代(J-POPと自分探しPart.6)]
文芸誌をナナメに読むブログ(書評)

…中学生の頃にさんぴんCAMP、とか盛り上がってて、自分がラップをやるのはこの時代に青春を送った者の運命かな、と思います。自分がデビュー曲「A・RA・SHI」でラップしたのも偶々だった。ちょうどその頃ドラゴンアッシュとかが盛り上がってきてるときで、やがて自分でリリックを書くようになった。リリックを書くときに気をつけていることは(歌が入っている状態でデモを渡されるので)歌の世界を尊重したリリックを心がけている。そして語呂合わせではなく、リリカルに響く詞であること。リリックには2パターンあって、ひとつは風景描写に重きをおいたもの。もうひとつは歌の主人公になって一人称で書くパターン。だが、ラップは自分にとっては趣味だ。影響を受けたのはm-floのverbal、shing02、ライムスター、ZEEBRAブッダブランド。さんぴん世代の人々。それが自分の青春だ。(櫻井翔談)

こちらのブログを読ませていただいたところ、翔さんは日本語ラップの影響をかなり受けているらしい。まさかshing02からの影響も受けていたとは恐るべし。blue herbとかも聴いてたりするのかな?


【嵐】Yo! check my flow part8【櫻井show】

2ちゃんのスレを読んだところ、MA$Eみたいに$howさんと表記するのが一般的のようです。

1 :$how Thug Life:2009/01/27(火) 23:15:57 ID:???
ARA-Shitの伝説的ハードコアサグラッパー、$how Thug-Lifeさんについて語る


290 :訴える名無しさん。:2009/07/09(木) 15:13:22 ID:???
今夜はブギーバック》-《櫻井翔》- All Arena Join the Storm
http://www.dailymotion.com/video/k4UYvCnwa1zrKJHppF
動画掘ってたらすげぇの見つけたぜ
やべぇフロウ・・・まだまだ荒削りの2001年の作品だZE
ちなみに後追いのKREVAは2006年。


櫻井翔さんの習い事をやめる理由が酷い

公文→公文に通う道が怖かったからやめた
ピアノ・エレクトーン→先生が妊娠したからやめた
ボーイスカウト→いじめっこに負けないように始めたのにボーイスカウトにそのいじめっこがいてやめた
ラグビー→人に当たるのが怖かったからやめた
剣道→魚の目が出来たからやめた、本当は柔道がやりたかった

コメントが素直過ぎて、私の中で彼の高感度が上がってしまった。




ジャケットのデザインは自分で衣装さんに相談したのだろうか?
バックプリントにはHIP POPのロゴとドクロマークが描かれています。
下手にB-BOY風な恰好をするよりも、アイドルのイメージが保たれていて嫌味な感じがしなくていいですね。
音楽性については、正直言いますとトラックは古臭いし、ラップも決して上手ではないですし、リリックも既視感のあるフレーズが多用されているので、斬新さは皆無ですが、国民的人気アイドルグループの一員だけあって、醸し出されるオーラとエンターテイメント魂が伝わってくるので、ヤンキー系ラッパーの動画を観るより感銘を受けました。
実のところアイドルがラップすることに少なからず偏見を持っていましたが、自分の視野が狭かったことに気付かされました。


翔さんのライブを観ていたら、ふとファッションパンクやらポーザーやらヒップスターと呼ばれてしまう人達のことが浮かんできました。



この写真、Fake Punker Kidsって画像タイトルを付けられて罵られていましたが、別にいいじゃんね。と言いつつ自分も翔さんに偏見を持っていたけど、フェイクラッパーとかいちいちディスするのはナンセンス。どのジャンルでも言えるけど、変な選民意識と排他的な人が多いことに気付く。



Capitalist Casualtiesのパッチを付ければパンクってわけでもないし。



街に出たら、全員がパンクファッションをしていたら、マイノリティ思考のパンクスはきっと別の嗜好を求めたくなるような気がします。



これが本物であれが偽者だとか、価値観の押し付けをする気も毛頭ないです。もしすべての人々が偽者や流行を嫌うような文化になってしまったら、それはそれで退屈な気がします。