B.J.Wardというオランダの女性シンガーについて
「やれやれ、またブログか、という顔をしてるわ」と彼女は言った。
「そうかい？」と僕は言った。
「そういうのって、わかるのよ。私にも、そしてブログの読者にもね」
「そうかもしれない」
実際のところ、僕はたしかにブログに飽きていた。好きな音楽、気に入ったTシャツ、仕事中にネット徘徊して詰め込んだ薄っぺらい知識…。こんなものをブログという実社会とはかけ離れたネット上にエントリをしたところで、僕という人間は決して伝わりはしないのだ。
「読者はあなた自身には興味がないの。あなたが読者に興味がないのと同じようにね。あなたははてなにサポートの良さを無料で求める、はてなはあなたに運営上の課金を求める。平行線よ」 平行線、と言いながら彼女は手のひらを水平に動かした。
「毒にも薬にもならないようなブログなんて、マクドナルドのコーヒーみたいなものよ」
「おそらく、君の言っていることの方が正しいんだろうな」
僕は溜息をついて、マクドナルドのコーヒー的ブログを書き始めた。書くべき内容はすでに完璧に頭の中に入っている。逆立ちで象に乗りながらだって書けるくらいだ。不思議なことに、何十回もブログを書いていると僕という人間が結局はこのはてなダイアリーという組織の手の平で泳がされているだけなのではないかと思えてくる。好きな音楽、気に入ったTシャツ、仕事中にネット徘徊して詰め込んだ薄っぺらい知識…。僕という人間はそれらのありきたりなネタの中に埋没し、そしてありきたりなブログができあがる。やれやれ、これじゃマクドナルドのレシートの方がまだましだ。
暇だったんで、某掲示板で見かけたハルキストの書き込みを元ネタにして書いてみました。ちなみに私が笑ってしまったハルキストのコメントを転載しときます。
「エレクトロニカ…ああドリルンベースの事ね。」
小柄の女性はさも誇らしいと言った感じで
僕に説明をする。
「ドリルン？」
思わず僕は反復してしまう。
「そうよドリルン。」
彼女が答える。
そして付け加える。
「あなたそんなことも知らないの？」
彼女は時折こうして僕を不安にさせる。
「私ラジオヘッドは好きよ。」
彼女が呟く。
彼女の横顔はとても美しい。
「それはデジロックですか？」
と僕は聞く、すると彼女は吹き出してしまう。
「あなたって変わった人ね。
真顔で冗談を言うんだもの。」
やれやれ、今日はこんなことをネタにブログを書きたかったわけではないんだ。
むむむ。もう春樹風はやめとこう。B.J.Wardというオランダの女性シンガーについてのエントリです。
B.J. Ward - Vocal Ease Catfish 5C 062-24323 (1974)
1) Vocalise
2) Keep It To Yourself
3) Earth Child - Moon Child
4) Here We Are
5) The Loner
6) Try To Remember
7) That's How The World Is Made
8) The Music Of Love
9) Billy's Blues
10) I Just Wasn't Made For These Times
11) Words On Words
12) I Don't Know Where I'm Going
ある方のブログを読んで存在を知ったのですが、この「Vocal Ease」というレコードはCDにもなってないみたいで、とても貴重な一枚とのことです。オークションだと4,5万円で落札されるみたい。
ジャンルはJazzy, Funky Soft-Rockとのこと。Neil Young, Tom Jones, Gerry Rafferty, The Beach Boys & Rachmaninovのカバーも収録されています。
2(Gerry Rafferty cover),10(The Beach Boys cover),12曲目が強烈に頭に残ってしまった。とても魅力的な作品でしたので、しばらくこの辺の音源を漁ってみたいと思います。
こちらの先頭のコメントに貼られているURLから試聴できます。
The Groovy & Obscure 60s/70s Brasilian Vinyl (MPB, voc/inst. Bossa Fusion Samba Soul Choro... US/It./Fr./UK/Ger. Soundtracks (1959-1980) US+European+Jap+Latin+World Jazz/Prog Rock/Fusion Manouche/Tango/Musette/Gypsy Jazz Easy/Now Sound! Euro. Library Collections
Gerry Rafferty - Keep it to yourself
