今更なんだけど、最近これに嵌ってます。
比較的最近のEDITIONのやつは、サンキューマートで390円で売ってたりするので地味に買い集めています。


90年代後半、全国の雑貨店で異常なくらいに展開され、コギャル(死語?)を中心に爆発的ヒットをかましデッドベア。当時雑貨と洋服を扱うお店でバイトしていた私にとって、尋常ではないデッドベアの売れ方がとても気持ち悪かったんです。


デッドベアGrateful Deadのアイテムで、各地で行なったコンサートの日付が誕生日としてつけられており、ツアーメモリーなどがプレートに刻まれていたりするのだけど、そんなことは買う側にとってまったく重要ではなくて「このクマたん、カワイイーーー!!」なんつって恋人同士でプレゼントしあっている光景をよく目にしていた私は、持ち前の卑屈さであんたら「このクマたん、カワイー」なんて言ってるけど、このクマたんの名前は「DEAD BEAR」ですぜ。日本語にしたら「死んだ熊」ですぜ。そんなもんプレゼントしあって楽しいかい?なんて歪んだ考えをしながら、プレゼント用のラッビング作業を黙々とこなしていたりしたもんでした。

同じデッドのアイテムでもSteal Your Faceやデッドの影響を多大に受けているPHISHのアイテムなどは、発注しても大して商品は動かず、他の関連アイテムには興味がないということがはっきりと露呈していました。


PHISHのロゴ、好きなんだけどなー。


デッドベアネタから今日は流行についてあれこれと振り返ってみることに。


この世の中、流行を発信(広告媒体、口コミetc)する人と、それを受信(消費者)する人がいます。
基本的に流行というものは広告媒体がギャンブルのような感覚で「数打てばいつかは当たる」の精神にのっとり、消費者をあの手この手で洗脳した結果生まれるもんだと思っているのですが、たまに媒体側も予期せぬ変なモノ(ホワイトバンドだっけ?)が人気商品になったりして、そんな売れ方が面白かったりするのだけど、そんな作為的な流行よりも、口コミをきっかけとした無作為に発生した流行はそれ以上に面白かったりする。口コミからヒットした商品は恐ろしいぐらい消費のスピードが速く、あっさりと終焉をむかえるのが悲しかったりもするけど。



デッドベアとほぼ同じ時代(96年〜)に流行ったたまごっちは媒体と口コミの効果が上手く作用したヒット商品。


wikiによると

たまごっちは当初10代の女性、特に女子高生をメインターゲットとして発売された。当時影響力の強かった安室奈美恵がテレビの音楽番組で紹介したことや大人気となったテレビドラマ『踊る大捜査線』でいかりや長介扮する和久平八郎が持っていたことがきっかけでブームになり、マスコミの煽りもあって異常人気となり入荷の情報を聞きつけた人々が徹夜で店に並ぶ様子が連日報道された。その結果たまごっちを持っていることが一種のステータスとなり街には数個たまごっちを所有していたり、忙しい人向けの「たまごっち託児所」なる預かり所が登場したりもした。

影響を与えた人物が安室奈美恵いかりや長介だったなんて知らなかったな。

当たり前のように、このような終焉をむかえます。

ブームが過熱し品薄状態が続くと希少価値のある白いデザインの商品を中心に1個数万円で取引されるようになったり、たまごっちを手に入れるために売春行為まで行う若者など社会問題にまでなった。また「人気維持のために出荷制限をしている」という噂が流れた。
しかし数ヵ月後にはブームが沈静化、大増産を行ったバンダイは不良在庫の山を抱えることになり1999年3月にメーカー在庫250万個を処分。同年には60億円の特別損失を計上した。



似たような売れ方としてこんなもんもありましたね。
RAZORのキックスケーター。既に絶滅状態になっているのかと思っていたら、まれに街中をスイスイと優雅に滑っているオッサンの姿を目撃したりするもんだから、私は羨望の眼差しでその姿をみつめてしまう・・・。(ちょっと乗ってみたい)



イトーヨーカドーのような大手デパートの紳士カジュアルコーナーの定番「DJ HONDA」のグッズは、デッドベアと同じようにDJ HONDAの存在すら知らないで購入している人がほとんどだと思う。

ちなみにwikiをみると

イチローが「h」のロゴ入りの帽子をかぶっていたことが流行のきっかけになったと言われている。

このキャップは若者よりも40代、50代のオッサンが被っているのをよく見かけたりするんだけど、休日のパチンコ屋で上下スポーツジャージに身を包み、DJ HONDAのキャップを被りながらタバコをくわえるその容姿は、正にリアルギャングスタではなかろうか。おっかないぜ。




バンドの存在以上にアイテムが流行った例として、こんなんもありましたね。
本物のギャング集団、SUICIDAL TENDENCIESのバンダナです。
明らかにハードコアに興味のなさそうな人がバンダナを巻いてたり、キャップのツバを折って被ったりするのが流行った時代がありました。かくいう私もバンダナを三角巾巻きにして着用していた時期があったけど、今思えばチーマーに絡まれなくてよかったw



続いてニューヨークの老舗ライブハウスCBGBのTシャツ。
これも洋服屋で働いていた時代、凄い勢いで売れてました。
スタイリストに着させられて、明らかにパンクとか聴いてなさそうなルックスのお笑い芸人が着てたりするから余計に流行ったんだろうな。


CBGBは2006年に閉店してしまったけど、wikiをみるとやはり凄いライブハウスだったことを再認識。

クラブは最終的に2006年10月15日に閉店した。最後の週はバッド・ブレインズとディクテーターズが、ブロンディのアコースティック・セットと共に複数回登場した。アヴェイルやバウンシング・ソウルズといった若いバンドも演奏した。
最後のコンサートはパティ・スミスが演じ、シリウス・サテライト・ラジオで生放送された。レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがショーに出演し、スミスと彼女のバンドとも共に数曲演奏した。フリーは深夜に44歳になり、バンドと観衆は彼に「ハッピー・バースデー」を歌った。テレヴィジョンのリチャード・ロイドも、アルバム「マーキー・ムーン」のタイトル曲の再録バージョンを含む数曲をゲスト出演で演奏した。そして彼らのセットの最後に、バンドはラモーンズを偲んで「グロリア」を演奏し、曲中でオリジナルの歌詞と「Blitzkrieg Bop」の「Hey! Ho! Let's go!」を交互にコーラスした。スミスの最後のアンコール曲「エレジー」で、彼女はCBGBで最後にプレイしてから死んだ多くのミュージシャンの名前を並べた。

豪華すぎるありえないメンツ。




そういえば数年前にひやかしで入ったシップスで、アナログシンセが気持ちいいサイケバンドのSILVER APPLESのTシャツが売られていた。こんなの意味分かって買う人、ほとんどいないでしょw



真偽は分からないけど、ANTI-HEROとかDMSのTシャツを海外で日本人が着ると危険(ボコられる)だっていう噂もあるから、安易に流行に乗っかるのもいいけど、最低限の情報は収集しておきたいものですね。
色々と好き放題書いてみましたが、私は別に流行り物を否定しているわけではありません。
流行っていても好きなモノもあるし、嫌いなモノもあって、流行ってしまった途端に冷めてしまうモノもあります。


ただどうせお金を払ってモノを購入するのだったら、無理やりつくられた流行には流されずに
まったりと消費する行為を楽しみたいと思っています。


嫁さんがやっているTシャツショップのCarrot Ropeなんて営利目的というよりかは、完全に趣味の世界なんで商品の展開もスローだし、一般ウケしそうな商品を無理して入荷しようなんて気持ちはこれっぽちもないから、きっとこのまま馬鹿売れはしないんだろうなw

そりゃー、たくさん売れて儲かれば嬉しいけど、一時の消費で飽きられてしまう商品なんてなんだか悲しいと思いませんかね?