やはりアーティストって一般人と違って考え方や発想力が天才的だなー。
一青窈さんのブログを読んでの感想なんですが、その前に私は一青窈さんに関してはとくに好きでも、嫌いでもなく「CO2削減!!」とか環境会議のイベントで小林武史となんかやってんなーぐらいの認識しかありません。
そんな私ですが、一青窈さんの1月15日に更新されたブログを読んだら、さらりとした文体なのに内容がブッ飛んでいたので、彼女に対するイメージがこれでなんとなく固まりました。


まずは一青窈さんのブログを読んでみてください。
http://www.hitotoyo.ne.jp/diary.asp (ちょっと表示が重いです)


私も最近自転車の盗難被害にあったばっかりなので、勝手ながら一青窈さんの本文を自分に置換えてサンプリングしてみます。
(元ネタと照らし合わせられるように、マウンテンバイク=お金に置き換えてみると分かりやすいかもしれません)


昨日、駐輪場からマウンテンバイクを抜き取った人へ。


1月13日 午後18時30分
ワイヤーロックをマウンテンバイクにしっかりとかけて家の目の前にある駐輪場に置き忘れて、2日後
警察官が被害届けを書いてくれて、
私の頭は空っぽになりました。


私のマウンテンバイクに乗車したあなた、
船橋辺りで乗ったと思われますが
ワイヤーロックを切り取って、
またその辺に捨てたのでしょう。


あなたが盗んだそのマウンテンバイクは
私は容易に働いて購入できたものではありません。
サラリーマンをしていると
簡単にお金はもうからないし、
軽くみられたり、上司から嫌みを言われたこともあります。


けれど、
本当に心をこめて、汗水鼻水涙たらして
たくさんのスタッフ、人間が関わって
命のこもったものをつくり
それがやがてお金に変わり
私なりに一生懸命頑張って稼いだお金です。


防犯登録シールを剥がしたり、何かを見て
車体がマングースだからとわかって盗ったのかどうかは知りません。
ただ、このマウンテンバイクに触り覚えがあって
ワイヤーを切り取った心当たりのある人は

どうか、私のマウンテンバイクを世の中のために使って下さい。

あなたのオークション出品のために消えてゆくのでは
我慢がなりません。

誰かを喜ばすプレゼントに使うなら
まず自分の心に聞いてください。
それでは誰も喜びません。

自分のために使うのなら
その空しさに気づいてください。

どうか、あなたよりもっと必要な人に
そのマウンテンバイクを使ってください。
通学で苦しむ子供たちでもいい
砂利道に苦しむ人に
コンビニまでの道のりでもいい、
でも、
一歩立ち止まって
そのマウンテンバイクの使い方を考えてください。

心からお願いします。

使いみちを考えて下さい。

そのマウンテンバイクの通過者より




まずね、財布のお金にしても、自転車にしても人のモノを盗む行為は許しがたいことです。
でもさ、こうやって書いてしまうとなんか厭らしい気がしませんか?
普通はパクられた。悔しい。ムカつく。とかそれで落ち着くよね。
財布を置き忘れた自分の落ち度については一切触れていないし、財布が戻ってきただけでも運がいいと思うけどな・・・。


でも、表現者クラスの方になると盗まれてからの発想が違いますね。
「無駄遣いすんな!人の役に立つように金を使え!!」等など。


この文章、「お金」をいろんなものに差し替えて2ちゃんのテンプレ文として使えそうかも。



ちなみに今回のエントリーは作家の深町秋生さんのブログ「深町秋生のベテラン日記」の影響です。
物書きしている方なので、私の稚拙な文章とは比べ物にならないくらい素敵なエントリーです。

深町秋生さんのブログの文章が面白かったので、思わずアマゾンで文庫を購入しちゃいました。

果てしなき渇き (宝島社文庫)

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深町秋生さんの名前は知っていましたが、本を読むのは初めてです。
『このミステリーがすごい!』大賞第3回受賞作とのこと。